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萌え中心に不定期更新。 基本はフリーダム。 構ってもらったりすると脊椎反射でお返事します(何)
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私は印象深い夢だと夢うつつのまま携帯にメモってから二度寝する癖があるのですが(起きろ)
今日のメモは起きてから読み返してみたら比較的文章になっていて(しかも夢うつつにしてはちょっと長い)逆に怖かったです。
以下今日の夢メモそのまま(加筆修正などは致しておりません)



 我が国と外国が戦っております。

 私は休憩所となっている図書室で飯を食っておりました。割当は一人五合です。最近いつも何故だか私のぶんは五合ないので、上官に言いましたら五合を頂けました。久方振りに腹一杯食えると思って、私は喜んで白米と削り節の飯を食いました。生きている実感が致しました。
 そこで警報が鳴りました。奴らが攻めて参りました。本来ならば即座に飯など放り捨て、本棚の影から様子を見るべきなのですが、汗と泥に汚れた私の体を生かしているのはこの純白の米なのであると思うと、どうしてかその時の私にはそれを捨てることが出来ませんでした。
 飯盒を抱えたまま、本棚の影から様子を窺います。空襲による地響き、銃撃の音が、本来静謐であるべき図書室をやかましく振動させておりました。
 隠れている人々は皆、愛国の士です。攻め寄せる奴らには屈しないと、皆命と引き換えても一矢報いようと構えています。
 嗚呼、敵の声が聞こえます。ここまで届くはずはないのに、私の脳裏に奴らの声が聞こえてきます。
 何故だか笑みがこぼれて参りました。三歩後退り、自分がバリケードと決めたはずの本棚から距離を取りました。瞬間、外で大きな爆発があったのでしょうか、それがこちらに向かって倒れて参りました。後ろに下がっていた私は軽く跳ぶだけで難なくそれを避けました。かつての仲間たちのように、最後までそこに張り付いていて押しつぶされるようなことはありませんでした。
 何故だか笑みがこぼれて参りました。倒れた本棚に足をかけ、私は飯盒を投げ捨てました。私の命の証だった白い飯が、散らばった本と汚れた床に撒き散らされましたが、私はもう見向きもしませんでした。
 何故だか笑みがこぼれて参りました。本棚を踏み越え、歩兵銃を構え直し大股に歩き始めました。仲間たちが私に気付いて制止の声をかけてきますが、全く気になりません。
 途中で人々が本棚を倒してバリケードを築こうとしておりました。私は銃を肩にかけてそれを手伝いました。倒した本棚に一人が足を巻き込まれました。人々は一度本棚を持ち上げ、彼の使いものにならなくなった足を救出しました。私は先を急ぎました。
 何故だか笑みがこぼれて止まらないのです。私はいつの間にか声を上げて笑っておりました。笑い声に比例するように、私の足も速くなっていきます。
 図書室の出口に辿り着きました。何故か私を止めようとする仲間たちを打ち払い、歩兵銃を構えた私は、夜闇に満ちた外へと一人躍り出たのです。
 銃声が聞こえます。私の体が振動しています。
 それは私が敵を撃っているためか、敵に私が撃たれているためかは分かりません。ただ銃声が聞こえます。私の体が振動しています。
 笑い声は止まりません。高揚した気分が引き金を引く指を更に速めていきます。
 どうやらいつの間にか地に臥したらしい私の脳裏に最後に浮かんだのは、先程私が散らした、白い飯の姿でありました。



 兵隊さんが微笑みながら歩いてきた。私たちが本棚を倒すのを手伝ってくれたけれど、倒した本棚が誤って仲間の足を潰してしまった。持ち上げるのは手伝ってくれなかった。
 兵隊さんは笑いながら出口へ向かった。段々足が速くなった。出口を守っている他の兵隊さんたちがびっくりして止めようとしたけれど、彼は銃の台座で兵隊さんたちを殴りつけ、大声で笑いながら図書室から飛び出していった。
 外の銃声が激しくなった。彼の哄笑が聞こえる。
 嗚呼、声が途絶えた。
 皆が視線を落とし、またバリケードを作り始める。
 本を読むためだった椅子と机のスペースに行くと、そこにいた人たちが集まって円座に座り、お母さんが役割分担をしていた。
 それぞれの守備位置を決めたところで、お母さんが卵の形をした重要な道具を取り出して、これを南門にいる偉い兵隊さんに届けなくてはいけないと言った。挙手したのは、お母さんが日頃お仕事で顔を合わせていた何人かのおばあさんたちだった。中には認知症の方もいて、穏やかに にこにこ笑いながら手を上げていた。
 お母さんはちょっと迷ったあと、おばあさんたちに卵を手渡した。おばあさんたちは自分たちをお互いに手錠で繋ぎ、『みんなでいけば怖くないわ』と出て行った。彼女たちはお国のために、誇らしく出て行った。
 皆は分担の場所へ散り、図書室は一気に騒がしくなった。頻発する揺れのたびに土煙が立っている。お母さんは私を手招きして、もう一つ卵を取り出して渡した。『正直あちらは心配だから、あなたにもお願いする』と言った。当然だと思った。
 南門の場所と行き方を詳しく聞くと、お母さんは出口と反対方向に私を手招きして歩き出した。そちらは裏口で、出ると廊下があり、幾つかの部屋が繋がっている。隣は『疑似的強酸性雨実験室』のドアで、その斜め向かいにエレベーターがあった。
 もしエレベーターが動いているのに気付いたらすぐ教えてね、とお母さんが振り向いて言った。それは敵が降りてきているということだから、と言う彼女の背後で、音も無くエレベーターのドアが開いた。階数表示は消えていた。
 間近に銃声を聞きながら、お母さんの手をひっ掴んで『疑似的強酸性雨実験室』に飛び込んだ。準備室を駆け抜けて、強酸性雨の降り続く実験室へと転がり込む。
 降りしきる強酸性雨が肌を焼いたけれど、敵にやられるよりはまだここに隠れていた方が良い。そう思って実験室の隅に縮こまってテラスを見たら、いつの間にかたくさんの敵が外からこちらを照準していた。
 銃声、銃声、銃声。ガラスの割れる音なのか雨の降る音なのかすらも分からない、連続的な打音。
 せめてとお母さんに覆い被さると、逆にお母さんは私を庇って敵に背を向けた。床についた手のひらが、赤く染まった強酸性雨に溶けていく。
 どうか敵にやられる前にこの雨が私を溶かしてくれるようにと祈りながら、私は目を閉じて闇を見た。

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